「礼儀が欠けてると言うのはプレーしてる側じゃなくて見てる側」

しかし、頭でっかちな大人たちとは対照的に、少年たちは意外にもクールだった。

東京都新宿区の明治神宮外苑にある「神宮バッティングドーム」。ここは本塁打世界記録を持つ王貞治を指導したことで知られる荒川博コーチ(2016年86歳で死去)が、亡くなる直前まで足繁く通い、打撃指導をしていたことでも知られるが、ここでガンガン球を打っていた少年たちにインタビューを行った。

“甲子園ペッパーミル騒動”に決着!? 高校球児たちに意見を聞いてみた「礼儀が欠けているとは思えない」「注意して盛り下げた審判の方が許せない」_2
神宮バッティングドームで練習する球児たちに話を聞いた

「自分たちはまだしたことないですが、これだけ流行っているとやってしまう気持ちはわかりますね。相手を貶すパフォーマンスでもないと思いますし。中学野球では昔のような『ピッチャービビってる』みたいな掛け声はもうほとんどありません。ジェスチャーやパフォーマンスで喜びを表現することも少ないでので、もう少しあってもいいと思います。今回のもエラーではなくヒットで出塁したのならアリだったんじゃないかなと思います」(中学2年生の2人組)

「いざとなったら自分は照れてしまってできないかもしれないです。相手だって貶されているとは思わないでしょうし、自分のチームの士気も上がるしいいんじゃないかと思います」(中学3年生)

「流行りものだし、自分も塁に出てやってみたいです。不要と言えば不要だけど、パフォーマンスすることでチームとして盛り上がって良い流れが作れる気もするし、世界的に有名になっているポーズを禁止までしなくてもいいんじゃないですか。お金をもらってプレーしてるプロ野球でもポーズをやってるわけだし、部活の野球でもそれくらいの自由はあってもいいと思います」(高校1年生)

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「あれくらいのパフォーマンスでも注意されるんですね。相手を馬鹿にしたりするのは駄目でしょうけど、ガッツポーズとか『よっしゃー!』って声出しちゃうのとなんら変わらないじゃないですか。相手のエラーでも塁に出たらみんな声出しますよね。過剰に反応しすぎじゃないですかね」(別の高校1年生)

「今の時代、高校野球でもそれなりにファンがついてたりするし、ファンサービス的な意味でもあっていいと思います。もしも自分のチームのエラーで出塁した相手がパフォーマンスしたとしても、なんとも思わないですよ。礼儀が欠けてると言うのはプレーしてる側じゃなくて見てる側だけだと思います」(高校2年生)