脅すときも細心の注意を払う
そうした行動からZ李氏を“義賊”と呼ぶ人もいる。
トラブルや事件に首を突っ込むのだから危険と隣り合わせかと思いきや「危険なことはそんなにないな。それに俺、結構強いんで」と一蹴された。さらに、「裏社会の住人でしょうか?」という記者の問いに、Z李氏はこう答えた。
「反社ではないと思うよ。前科・前歴もない。でも、暴力団にも半グレにも知り合いは当然いるよ。密接交際ってわけでもないと思う。だってここらへんプラついてるんだから、飲み屋でも遊び場でもそうだけど、連絡先交換した人が不良だった反グレだったってよくある話でしょ。
実際、歌舞伎町にいる人で連絡先に一人も不良の電話番号がない人って、あんまりいないと思うよ。実際ちょっと仲良くなった後に、不良だったから連絡とれませんとか、こっちもさらのパンピーやってるわけじゃないんだから、粋じゃないでしょ。
むしろ警察は『あれ知らない? これ知らない?』ってよく聞いてくるし、俺たちと仲良くしようとしてる。それに俺らは相手を怖い目にあわせることはあっても、傷つけないように、事件にならないように細心の注意を払ってる。人を追う時も、暴れたら暴力で応戦しなくてはいけないから、あえて10人以上で囲んで反抗する気を起こさせないようにしたり。いろいろ気は遣っている。
そりゃ囲んで脅かすときだってあったけど、こっちもいろいろ考えてやってたからね。いつだって警察に走られる前提でやってたし。このへんはでも、あまり話したくないかな」
そう言っていたずらっぽく笑う。そんなZ李氏は「週刊SPA!」で『飛鳥クリニックは今日も雨』という小説を連載中で、3月22日は同名の著書が発売される。
「つくられたハードボイルド小説より、俺たちが昨日体験したことのほうがヤバイってことがたくさんある。『飛鳥クリニックは今日も雨』はほとんど事実がベースだ。事実は小説より奇なりってやつだな」
これまで関わってきた事件については、次回じっくりと語ってもらうこととしよう
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班