「大臣レクはなかった」は無理がある
――それでは大臣レクそのものがなかったという高市発言にも信ぴょう性はある?
その発言はちょっと無理があるでしょう。官僚というものは行政文書に不都合なことは書かないということはあっても、全体としてはウソのない、整合性のある文書を作るものです。それが職務ですから。
なので、存在していない大臣レクをさもあったかのように見せかけるウソの文書はさすがに作りません。大臣スケジュールの保存期間は行政文書管理のガイドラインでは1年未満ですが、多くの省庁は当日ないし非常に短期間で廃棄という扱いにしています。
もちろん、対外的な公務などの記録はさすがに残りますが、日々の大臣レクといった内輪の細かなスケジュールについては確認のしようがない。そのことを高市さんはよくわかっていたから、「レクそのものがなかった」と答弁したのでしょうが、さすがに無理がある。今となっては発言を悔やんでいるのかもしれません。
写真/共同通信社