子どもと女性の変化がこれからの「赤い女」を変える?

――デバイスや使われるアプリが変わり、少子化、女性の社会進出が進むなど世相が変わると、またこれからも「赤い女」の細部は変わっていきそうですね。

吉田 たとえば江戸時代には、殺された赤ん坊が化けて出るのはスタンダードな怪談ではありませんでした。飢饉や貧困などの時代背景もあり、子どもの命の重みが今と明らかに違いますから、当時は恐怖の対象になりづらかった。ところが現代においては殺された赤ん坊、虐待された子どもが出てくる怪談が根強くあります。統計的に虐待死の絶対数が増えているわけではありませんが、虐待死への意識の高まり、「許せない」という気持ちは強まっていますからね。そうした意識の産物なのでしょうか。
今後のことは当然まだわからないですが、こういうことがどんな恐怖が生み出されるか、言いかえれば「どんなものが人々にとって恐怖になるか」につながってくるかもしれません。

取材・文 飯田一史

『現代怪談考』
吉田悠軌
吉田悠軌『現代怪談考』
発売日 ‏ : ‎ 2022/1/27
価格‏ : ‎ ¥2,090
出版社 ‏ : ‎ 晶文社
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 352ページ
ISBN:4794972881(ISBN-10)
978-4794972880(ISBN-13)
姑獲鳥、カシマ、口裂け女、テケテケ、八尺様、今田勇子――
そのとき、赤い女が現れる。
怪談から読み解く現代史。恐怖の向こう側にあるものとは。
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