謎めいた資産家の地元での評判
一方の宮本容疑者の実家は、謎めいた資産家だ。近所の人はこう話す。
「宮本さんのお宅については詳しい事はわかりませんが、一希さんの妹さんとおばあさま、親戚の方が茶道をされているのは知っていますよ。詳しい流派までは存じませんが、裏千家らしいです」
宮本容疑者の小学校の同級生の母親はこう気色ばんだ。
「宮本さんご一家は京都に根付かれた、ちゃんとした方ですよ。一希くんのお母さまもすごく品のある専業主婦で、今回のことでもご心痛だと思うと心配です。お婆ちゃんの介護も全部して、ご自分のお母さまのとこにも毎日行ってらっしゃいましたから。私が体調を崩した時にも、気にかけてお届け物をしてくださったり、お互い頂きものを届けあったりするような、ほどよい関係で付き合ってきました」
この「ママ友」は事件についてもこう憤慨する。
「私も息子から聞いた話ですが、宮本君から去年の11月に連絡があって『警察に携帯を持っていかれたので、ひょっとしたら警察から連絡あるかもしれないけど』と全部事情を説明してくれたそうです。自分からちゃんと女性の両親に連絡して、迎えに来てくれるまでずっと付き添って看病してあげてたんですよ。薬局で薬まで買ってあげたと聞いてます。だからなんで逮捕されたのか私たちも困惑してるし、警察には疑念しかない」
もちろん、捜査段階で府警が連絡を取ったのはこの同級生だけではない。京都市内在住の別の知人はこう証言した。
「昨年の11月ごろだったと思いますが、私にも警察から電話があり、一希くんに最近変わった様子はないかという趣旨の質問をされましたが、特になかったのでそう答えました。そのことを彼に伝えた際も『迷惑かけてごめんね。本当になんなんだろうね』と慌てている様子もありませんでした。少なくとも奥さんとうまくいってないという話も聞いたことなかったし、仕事で雇っている特定のアルバイトや舞妓に入れ上げてる様子もなかったので、事件のニュースを見た時は驚きました」
タリウムを飲まされ、21歳の若さで呼吸困難の末に苦しんで命を散らした被害者の無念はいかばかりか。「薬を買って浜野さんを介抱した」と弁明していた宮本容疑者は、警察の調べに対し「救急車を呼ぼうとしたが浜野さんに『喘息だから呼ばないで』と拒まれた」とも話しているという。
真相を明らかにすることでしか、それに報いることはできない。
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取材・文 集英社オンライン編集部ニュース班