仕事で活かせる! アイデアを生み出す思考法
——アイデアを生み出すために習慣化していることはありますか?
日頃からとにかく「考える」ことを癖づけています。例えばニュースひとつとっても「どうしてこうなってしまったのか」「これが喜ばれた理由は何だろう」などと、つい考えてしまいますね。
常に俯瞰した目線で物事を捉え、世の中の出来事に疑いの気持ちを持つ。そうすると今までの自分とは違う角度で物事を見ることができ、視野がさらに広がっていくと思います。
また目にしたものや製品を深掘りする習慣もありますね。「この製品、もっとこうなったら使いやすいのでは?」など、課題や不便な点や疑問点を積み重ねていくと、他の人が考えなさそうなアイデアが自然と見つかるようになります。
——ビジネスパーソンが会社で「ちょっといいアイデアない?」と問われたとき、どうしたらいいアイデアが生まれますか?
まずは無理やりアイデアを生み出そうとしないことです。「いいものを生み出さなきゃ」と思えば思うほど、思考が硬直してしまいます。プレッシャーはアイデア発想の大敵なんです。
逆に、アイデアの宝庫なのが「リラックスした時間」です。例えばシャワーを浴びているときやリビングでくつろいでいるときなどのふとした時間に、アイデアが生まれることが多いと思います。ぜひ自分に余白を作ってみてください。
それから「どうせ発表しても受け入れてもらえないだろう…」といったネガティブな思考にフタをすることもおすすめです。アイデアはまず出してみて、相手の反応を見てみることが重要です。「受け入れられなかったらどうしよう」と思わず、まずは提出してみましょう。
——著書『「ありそうでなかったアイデア」のつくりかた』の中で、「アイデアを考えるときは一人で行う」という記述があります。会社では複数人でアイデアを出すシーンもありますが、こうした場面で円滑にアイデア出しができるコツはありますか。
会社で「このメンバーでアイデアを考えてみよう」と言われると、ついグループのメンバー全員で一緒に考え込んでしまいますよね。
おすすめは、アイデアだしの会議やグループワークがある前に、メンバーそれぞれでアイデアを考えてくることです。各人がリラックスした状態で考えたアイデアを持ち寄れば、その場でウンウンと考え込むよりも、いいアイデアが生まれやすいと思います。
また、事前に考えてくることができないなら、グループワーク中に各自で考える時間を取るとよいでしょう。こうすれば無駄な時間の使い方をせずに済むと思います。私の勤務先では、実際にこの方法でアイデア出しを行っています。
——社内にアイデア出しができるメンバーが増えたら、クリエイティビティな会社になりそうですよね。
アイデア出しは誰でもできることです。だからこそ、企画職やデザイナー職以外の方でも、アイデアを生み出す習慣はつけられると思います。そんな人材が集まったら、その会社も、さらには世の中も、もっと面白くなるはずです。
私は今後もさまざまなアイデアを発信し続けながら、アイデアクリエイターを増やして、社会に「アイデアを生み出す輪」を広げていきます。
取材・文/永見 薫
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