加藤容疑者と永田容疑者は
広島の強盗殺人未遂事件にも深く関わる
全国を震撼させた特殊詐欺グループの本丸ともいえる事件が急展開をみせた。
東京都狛江市の住宅で大塩衣与さん(90)が殺され、高級腕時計などが奪われた事件で警視庁は2月22日、実行役とみられる野村広之容疑者(52)と、東京・中野区で去年起きた強盗傷害事件で逮捕・起訴された永田陸人被告(21)、それに石川県内で先月、偽造免許を使ったとして逮捕された19歳の大学生、事件に使われたレンタカーを手配したとみられる福島聖悟容疑者(34)の合わせて4人を強盗殺人などの疑いで逮捕した。
広島市で昨年12月に起きた強盗殺人未遂事件で逮捕された加藤臣吾容疑者(24)についても、容疑が固まり次第逮捕する。いずれも昨年5月から全国で30件以上発生した、連続強盗事件の複数に実行犯として関与しているとみられる。
一連の事件でフィリピンの入管施設に収容されながら、スマートフォンの通信アプリ「テレグラム」などを駆使して実行犯たちを遠隔操作していた今村磨人容疑者(38)や渡邉優樹容疑者(38)ら4人の指示役は別の詐欺事件で逮捕、すでに日本に移送済みで、警視庁は今後、この狛江強盗殺人事件への関与についても厳しく調べを進める。
被害者の大塩さんは今年1月19日、狛江市の自宅地下1階で両手首を縛られた状態で殺害され、腕時計3本など60万円相当が強奪された。犯行に使われたレンタカーからは指示役らとのやり取りの記録が残った携帯電話が見つかっており、他の押収物とともに警視庁が解析を進めている。
一連の事件の中でも最も荒っぽく、量刑も極めて重い強盗殺人の実行犯たちはどんな人物なのか。
「加藤と永田の2人は極めて粗暴で、ともに広島市の事件に深く関わっています。この事件は広島市西区の住宅を兼ねる貴金属店に加藤らが宅配業者を装って侵入、現金250万円と高級腕時計や貴金属90点(時価2160万円相当)を強奪。この際に店主の男性がモンキーレンチで殴られて急性硬膜下血腫で重体に陥り、今も意識不明が続いており、顔などを殴られた店主の両親も全治2週間のケガを負っています」(捜査関係者)