日本人の強盗がフィリピン人の強盗に襲われる
特殊詐欺グループを指示するなど、連続強盗事件の指示役とみられている渡邉優樹容疑者は、2021年4月にフィリピンの警察当局に、マニラの五つ星ホテルに滞在しているところを逮捕された。それまでの約1年、このホテルのスイートルームに滞在し、豪遊していたと思われる。
これまでの警察の捜査から、渡邉容疑者は詐欺で得た数千万円を、交際女性らに日本から運ばせていたことがわかっている。だが、「フィリピンでは、誰がいつ金を運んでくるのかすぐにわかる」とはとある暴力団組員。この男は、かけ子からタタキ(強盗)まで悪いことは何でもやってきたという。
「フィリピンには日本人が多い。それだけに情報は漏れやすく入手しやすい。今日、日本から誰が金を持ってやってくるのかという情報は、すぐに現地に入る」(前出)
そして日本から犯罪に絡んだ現金を持って渡航してくる者は、すぐさま強盗犯に狙われるという。襲ってくるのは日本人ではない。現地のフィリピン人だ。
「ヤツらは、相手が暴力団員だろうが半グレだろうが関係ない。油断すればいつでも襲ってくる」(同)
情報は日本人の間だけでなく、フィリピン人の犯罪グループにも流れているという。
ボディガードもつけずタクシーに乗ろうものなら、そのままタタキ(強盗犯)の餌食になる。フィリピンのタクシー強盗は有名だ。ネットやSNSには実際に被害に遭った人物による注意を呼び掛ける投稿がいくつもみられる。
在フィリピン日本国大使館も「マニラ首都圏及び近郊地域における邦人犯罪被害の傾向」でタクシー強盗についても注意喚起しているほどだ。