そりゃ不安に思いますよね? まだ残念ながらウェブ動画関連の事務所は待遇が良くないし不安定な場合が多い。それに比べてテレビ制作会社はそこそこ安定している。だったらとりあえずテレビ業界を目指したほうがいいのではないか? ということです。

テレビ制作会社よりウェブ動画制作会社が高待遇になるまであと5年!? テレビ離れの若者が、それでもテレビ業界を志望する本音とは_1
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しかもテレビ業界なら先輩についてOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング=仕事をしながらスキルを身につけること)で映像制作の仕事を覚えられる。だったらテレビにはそんなに興味はないけれど、とりあえずまずは〝修業〟のつもりで、スキルが身につくまでテレビ局やテレビ制作会社で働こう! というのが学生たちの偽らざる本心だと私は感じています。
ちょっとさびしく思うテレビマンもいるかもしれませんが、これは非常にありがたいことですよね? テレビの仕事をやってみたら、まあまあ面白くてそのまま業界に残ってくれるかもしれませんし、まったく志望されないよりはるかにいい状況です。

みんな教員にはけっこうホンネを言ってくれるようで、「ホントはテレビを見てないので、どの番組を好きっていうか迷います。オジサンたちに好感度の高い答えはなんでしょう。先生?」とかズバズバ聞いてくる学生もいます。けど、これって一生懸命気を遣って考えてくれてるわけですから、カワイイと思いませんか?

それに、こういう状況だっていつまで続くかわかりません。ウェブ動画の制作環境はどんどん良くなっていくでしょうし、仕事は確実に増え続けるでしょう。となれば、テレビ制作会社よりウェブ動画制作会社のほうが高待遇になる日も近いのではないでしょうか? どうでしょう。逆転まであと5年くらいなのかな? と思ってしまいます。

そうなれば、本当に若者がテレビ業界にそっぽを向くかもしれません。それまでに彼らをつなぎ止めるような魅力的なテレビ業界にしなければ、ですよね。

#1「全国ネットのワイドショーの裏側」はこちら
#2「テレビで放送の罰ゲームは”いじめ”を助長するのか」はこちら
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『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)
鎮目博道 (著)
テレビ制作会社よりウェブ動画制作会社が高待遇になるまであと5年!? テレビ離れの若者が、それでもテレビ業界を志望する本音とは_1
2023/2/22
208ページ
ISBN:978-4334953638
みんなうすうす感じているアノ裏コノ裏をオープンに!
テレビ局に27年間在籍した立場だからわかる内部事情、問題点や外圧を、誰にでもわかりやすく解説していきます。
YOUTUBEに押され「テレビは終わった」と言われたりしているが、本当に凋落の一途をたどるのでしょうか!?
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