自分のやりたいことができると思ったら…

起業した30代男性が「事業を展開するにはこんなにやらないといけないことがあるとは……。会社員時代は、請求であれば経理、契約であれば法務といったように、それぞれ担当部門があり、丸投げできたので楽だった」とこぼしていたのを覚えています。
個人事業を立ち上げた場合や、創業から間もないスタートアップでは、商品開発、営業、マーケティングはもちろんのこと、請求、契約、支払いなど数多くの業務を1人~少人数で対応する必要があるのです。

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配属に従って仕事をする会社員に比べ、起業家やスタートアップ社員は、自らのやりたいことを軸に仕事ができると思われがちです。もちろん、そうしたやりがいを感じやすい一方で、これまで会社内の他の部門が対応してくれたことまで、自分で対応する必要が生じます。
こういった業務にあてる時間は、販路拡大のための営業や、顧客のためのサービス提供ができず、もどかしさを感じることもあるかもしれません。

ただ、今は、経理や契約といった業務を効率化できるサービスが月額数千円で利用できます。起業して1年ほどの私も、そうしたサービスのおかげで、請求や契約、経理といった業務の時間を、日々の仕事の1、2割ほどに抑えられています。
そうしたサービスを利用する上での注意点としては、身の丈にあったサービスを利用し、どのサービスを利用しているかの管理を怠らないことです。

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様々なサービスがある中で、サービス内にも多くのプランがあり、普段使わない機能も備えた高額なプランをついつい契約してしまったり、契約したものの思ったより利用しないまま、解約手続を忘れて月額費用を払い続けていることはよくあります。
そのため、事業内容やお財布と相談しながら、サービスをうまく活用し、効率的に事業を展開しましょう。