資産の整理、住まいの確保を優先に
働けない子どもの将来のライフプランとして親がすべきことや整理すべきことは、
① 資産の整理
② お子さんの住居
③ 兄弟姉妹との話し合い
④ 生活面のサポート
です。
まずは資産の整理。
これは親が平均寿命まで生きた場合、子どもが一生働けないことを前提に、自分たちの資産、不動産など、どれくらい子どもに残せそうなのか計算することです。
具体的には1年間の収支を計算したり、自分たちが持っている金融資産の棚卸しをしたり、不動産をお持ちなら売却価格を調べたりしましょう。
そうすることで漠然とした不安を「見える化」することができます。
親の資産だけで足りないとわかれば、子どもに
「月●万円収入がないと●歳のとき資産が底をつく」と具体的に経済状況を説明でき、どう補うのかを考えられます。
例えば月5万円くらい稼げばいいと具体的にわかれば、子どもが今後仕事に就く場合の心理的なハードルは下がりますし、仕事も探しやすくなります。
次にお子さんの住居についてです。
住まいの確保は、働けない子どもにとって安心して暮らせるどうかの要といっても過言ではありません。
多くの親は、持ち家の場合、今住んでいる住居にそのまま子どもが住めるようにしたいと考えています。
ですが、築年数が古いと子どもが一生住めるかどうか、心配な面があります。
水回りなど修理が必要な場合、ひきこもりのお子さんが自ら修理を呼んだり、作業したりすることができない可能性もあります。
そんな場合は、持ち家を売却して安い物件に住み替えるなどすれば、その差額分を子どもに残すことができます。
どうしても住み替えができない場合、親が元気なうちに親子で経営している工務店を見つけて、何回か修理を頼んでおき、将来、お子さんがひとりになったときにも修理を頼める体制を作っておくようにアドバイスをしていますが、親亡き後の住まいをどうするかは早めに検討しておきましょう。