季節に合わせた「試乗体験」で
ブランドとの接点を生み出す

近年、“若者の車離れ”が叫ばれて久しい。所有からシェアの時代とも言われているが、こうした状況を踏まえ、メルセデスではどのように若者向けへ訴求しているのだろうか。

長谷川氏は「若者の車離れについては、よく言われているものの、日本ではカーリースの馴染みが薄く、ブランドとしては『所有したい』と思ってもらえるような方向性で考えている」と話す。

というのも「商品には絶対的な自信を持っていて、まずは体験してほしい」という一心があるからだ。

「メルセデス ミーでは、ブランドの世界観を、飲食やライフスタイル系商品を通して触れてもらうこと以外にも、常時20台ほどのメルセデスの車種を無料で試乗できる『トライアルクルーズ』というサービスも提供しています。

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「トライアルクルーズ」で映えるドライブもできる

実際にメルセデスへ乗ってもらうことで、安全性や快適性といったきめ細かに作られた商品の魅力がわかっていただけると思うので、『シェアもいいけど、次は買ってみようかな』と思ってもらえるかもしれない。なので、まずはブランドを体験してもらうことで、若い方たちのモビリティに対する考え方も変えられたらなと思っています」

トライアルクルーズに関しては、季節に合わせて「さくらクルーズ」や「イルミネーションクルーズ」と銘打ち、気軽にメルセデスの試乗体験が味わえるとあって、非常に好評を博しているという。

「従来であれば、クルマの試乗だけでも遠慮されるお客様も少なくないなか、トライアルクルーズでは写真映えする周遊コースで友人・知人同士で楽しんだり、『メルセデス・マイバッハ』や『メルセデスAMG』、オープンカーといったハイエンドモデルのクルマで思い出を作ったりと、お客様とブランドの接点を生み出すのに寄与しています」