「クルマを売らないショールーム」がファン層の拡大に寄与

日本にはBMWやポルシェ、アウディなど多くの輸入車ブランドが参入しているが、なぜメルセデスが国内で最も売れているのだろうか。

長谷川氏は「何をやるにしても妥協しない」ことが一番の強みになっていると話す。

《10年連続輸入車売上1位》なぜメルセデス・ベンツは支持されるのか? “クルマを売らないショールーム”からの妥協なき仕掛け…「ONE PIECEコラボ、アウトドアブームのSUV、車だけでなく…」_1
1980年生まれ。入社から「メルセデス・ベンツ日本」一筋の長谷川氏
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「メルセデス・ベンツ日本では、2013年にカンパニービジョン『メルセデス・ベンツ、最も愛されるブランドへ』を掲げたことで、製品やサービスはもちろん、マーケティングやブランディングなど、どの場面においてもメルセデスが持つブランド価値をお客様に変わらず提供することに一貫して取り組んできました。これが熱量の高いファンに支持され続けることができている理由だと考えています」

そんなメルセデスが、ブランド情報発信拠点として“クルマを売らないショールーム”を六本木にオープンしたのが2011年夏。

「メルセデスベンツ コネクション」(現、メルセデス ミー)にはカフェやレストランのほか、ブランドを体現したライフスタイル系商品を扱うグッズ販売コーナーも設け、従来の販売店とは一線を画す施設として、女性や若者の間でも人気が広まっていった。

「メルセデスと聞くと大型車のイメージが強く、もっと『Aクラス』や『Bクラス』といったコンパクトカーをどうやってお客様に浸透させていけばいいのかという課題がありました。ただ、正規販売店は、敷居が高く行きづらいというお声もあり、もっと我々自らお客様に近づき、メルセデスに親しみを感じていただけるように、“クルマを売らないショールーム”という建て付けで、新たなブランド発信の拠点をつくったんです」

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Bクラス

カフェで過ごしても、レストランで食事を楽しんでも、あるいはグッズを購入しても、ふと目を向けると、そこにはメルセデスを象徴するエンブレムのロゴが視界に入ってくる。

このように、自然とブランドに触れる体験を生み出せるように工夫を凝らしたというわけだ。

「メルセデス ミーでの体験を通して、いつかクルマの購入を検討するタイミングが来たら、メルセデスを想起してもらえるきっかけ作りになるように意識していました。メルセデス ミーは全国で4箇所に展開していて、現在でもお客様とブランドが身近に接することができる重要な拠点となっています」