Apple製品の多彩なアクセシビリティ機能

iPadの場合、Siriだけで対応しきれない細かな操作をしたいときは、「音声コントロール」という機能を活用するといい。

音声コントロールを使えば、ホーム画面のアプリを指定して開いたり、アプリ内のボタンを声で指示して押したりすることができる。さらに、画面内のボタンに番号を表示させて、その番号を告げるだけで指定した箇所をタップすることも可能だ。

「命の次にiPadが大事」…10万人に1人の難病「ギラン・バレー症候群」と闘い続ける医師が健常者にも届けたいアクセシビリティ機能のこと_6
音声コントロールを使って「番号表示」というコマンドを呼び出した画面。アイコンやボタンの脇に番号が表示され、その番号を告げることでタップできる

また、iPhoneやiPadには「スイッチコントロール」という機能も搭載されている。これは、iPhoneやiPadにスイッチを接続して操作する機能だ。「1つのスイッチだけでiPhoneやiPadを操作できるの?」と首を傾げる人もいると思うが、iPhoneやiPadはOSの標準機能としてその操作を可能にしている。

使用できるスイッチは、大きな押しボタンのタイプや、肌の接触をセンサーで認識するタイプなど、いろいろなものがある。センサータイプなら、体のどこか一部がほんの少しでも動かせればスイッチを押すことができる。

高尾さんは、Siriや音声コントロール、スイッチコントロールと、それぞれ状況によって使い分けているそうだ。

「たとえばiPadでメールを開いているときに、音声コントロールで『下にスクロール』と言うと、本文エリアだけでなく、左側のメール一覧のカラムと本文がスクロールしてしまうんです。なので、そこはスイッチコントロールだとそれぞれスクロールできます。こういう細かな部分は、実際に使ってみないとわからないですよね」

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スイッチコントロールで使えるスイッチには、さまざまなタイプがある。この写真では、左手の下にクッション型のスイッチがある(写真:高尾洋之)
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スイッチコントロールの操作方法は、大きく分けて2種類。タップ可能な項目を次々にフォーカスする「項目モード」と、X軸とY軸でタップ位置を指定する「グライドカーソル」だ(図はグライドカーソルの画面)