イタリアの風土を楽しむ映画10選はこちらから

『無防備都市』『自転車泥棒』『道』『8 1/2』『情事』『山猫』『荒野の用心棒』『木靴の樹』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ライフ・イズ・ビューティフル』『君の名前で僕を呼んで』……など、映画好きなら一度は聞いたことのある名作が数多くあり、日本でも絶大な人気を誇るイタリア映画。

2月17日に公開されたティモシー・シャラメ主演の話題作『ボーンズ アンド オール』も、イタリア人のルカ・グァダニーノ監督作品である。

しかし、アメリカ、フランスなど他の国の映画に比べて語られる機会があまりなく、近年では公開本数が少なくなったことで、イタリア映画にはなじみがない、さほど見たことがないという人も多いのではないだろうか。

2月17日に刊行となる書籍『永遠の映画大国 イタリア名画120年史』では19世紀から現代までの120年を、約800の作品とともに通覧。イタリア映画の歴史を紐解く1冊となっている。

本記事では、そんな魅力たっぷりのイタリア映画の中でも歴史に残る傑作10本を紹介。

懐かしのあの名作を振り返りながら、ハリウッド映画に与えた影響や、フランスのヌーヴェル・ヴァーグに先んじたリアリズムの追求など、イタリア映画の魅力と独自性を「わかる」ためのポイントを紹介する。

燦然と輝くイタリア映画の大傑作10本

若きアラン・ドロンにイーストウッドの出世作、坂本龍一がアカデミー賞を受賞した傑作にナチスドイツ時代の悲劇まで。映画史に燦然と煌めくイタリアの名画10選_1
Album/アフロ
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『カビリア』(1914)Cabiria 
上映時間:2時間2分/イタリア
監督:ジョヴァンニ・パストローネ

1910年代のイタリア映画は史劇とディーヴァ映画によって、世界の最先端を行っていた。史劇は古代ローマや聖書などを扱ったスペクタクル映画だが、これはその代表作でD・W・グリフィスの『イントレランス』を始めとして、世界の映画に大きな影響を与えた。

紀元前3世紀、ローマとカルタゴのポエニ戦争を舞台に、貴族の娘カビリアの数奇な運命を描く。


『ナポリのそよ風』(1937)Il Signor Max 
上映時間:1時間22分/イタリア
監督:マリオ・カメリーニ
出演:ヴィットリオ・デ・シーカ、アッシャ・ノリス

ファシズム期のイタリアにこんな洒落たコメディがあったなんて。カメリーニ監督は実はフランスのルネ・クレールや、ドイツ生まれでアメリカでも活躍したエルンスト・ルビッチに匹敵する喜劇の名手。

後にネオレアリズモ※の代表的監督となるデ・シーカが主演で、ハンサムな俳優姿が楽しめる。戦前の日本でも公開されて人気を呼んだが、邦題のナポリは実はほとんど出てこない。

※第二次大戦直後に現れたイタリア映画の新しい傾向。 現実を客観的に凝視し、ドキュメンタリー風に描写している