『自転車泥棒』(1948)Ladri di bicilette
上映時間:1時間22分/イタリア
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
「ネオレアリズモ」と言えば、まずはこの映画。貧しい父子を演じるのは素人で、盗まれた自転車を探してさまよい歩くローマ市内をロケ撮影で見せる。
まるで現実そのもののようで、見ているとどんどんいたたまれなくなる。戦前にカメリーニの作品で脚本家としてデビューしたチェーザレ・ザヴァッティーニはデ・シーカの片腕となった。「キネマ旬報ベスト・テン」1位。
『甘い生活』(1960)La dolce vita
上映時間:2時間54分/イタリア
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:マルチェッロ・マストロヤンニ、アニタ・エクバーク
ロッセリーニの助監督を経てネオレアリズモの影響を直接受けたフェリーニが、この映画を契機に自由な語りを始める。マストロヤンニを主人公にローマの社交界や芸能界、カトリック教会を皮肉たっぷりに見せた。
カンヌで最高賞をとり、その年のイタリアで一番の興行収入を挙げた。「キネマ旬報ベスト・テン」2位。
『山猫』(1963)Gattopardo
上映時間:3時間7分(オリジナル版)/イタリア=フランス
監督:ルキーノ・ヴィスコンティ
出演:アラン・ドロン、クラウディア・カルディナーレ、バート・ランカスター
19世紀半ばイタリア統一時代のシチリア貴族の黄昏を華麗に描いた大作で、この作品の成功からネオレアリズモの旗手だったヴィスコンティは、豪華絢爛路線をひた走る。
若きアラン・ドロンとクラウディア・カルディナーレのカップルの舞踏会での鮮やかなダンスシーンには目を奪われる。彼らを見つめるバート・ランカスターの目は優しい。