『ラスト・エンペラー』(1987)Last Emperor
上映時間:3時間39分(オリジナル全長版)イタリア=中国=イギリス=フランス=アメリカ
監督:ベルナルド・ベルトルッチ
出演:ジョン・ローン、ピーター・オトゥール、坂本龍一
1960年代にデビューしたベルトルッチ監督が初めて全編を海外で撮影した作品で、清朝最後の皇帝、溥儀の生涯を描いて、アメリカのアカデミー賞で作品賞を始めとして9部門受賞。溥儀が皇帝になった1908年から1967年までを描く歴史大作で、日本の満州国支配を中心に、戦後の文化大革命なども描いた。
作曲賞の坂本龍一が満州国の撮影所長役を演じたほか、主役の溥儀はジョン・ローンが務めた。撮影のヴィットリオ・ストラーロが見せる華麗な映像にも注目。キネマ旬報ベストテン1位。
『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997)La vita è bella
上映時間:1時間57分/イタリア
監督・出演:ロベルト・ベニーニ
出演:ニコレッタ・ブラスキ
イタリア映画が不況に陥る1980年代には俳優出身で監督も兼ねるケースが何人も現れた。ロベリト・ベニーニはその代表格で、もともとはテレビや舞台で俳優や歌手として活躍していたが、ベルトルッチの『ルナ』などに出た後に監督も始めた。
この作品は1930年代のトスカーナ地方を舞台にナチスの強制収容所に入れられる3人家族をユーモアと涙で描き、カンヌで審査員特別賞、アカデミー賞で主演男優賞を含む3部門を制覇。
文/古賀太