東京・世田谷ではできないことが福岡・北九州ではできる

【漫画あり】全身根性焼き、舌も自分で噛み切った兄のために弟は…。『「子供を殺してください」という親たち』が伝える、切り捨てられる者を生む日本の矛盾_6

――北九州という場所を選んだのは、地元だからですか。

それが大きいですね。私がこの仕事をやってこれたのは、北九州で生まれ育ったことが影響しています。言葉を選ばずに言うと、半島や被差別部落の人たちの問題や、そこから出てくるヤクザが周りにたくさんいる環境に生まれ育ち、上京してからは新宿の歌舞伎町で揉まれました。そうやって、押川はできあがったと思っています。

例えば、東京の成城で「この問題を地域で解決しましょう!」と言ったところで、住民から「出て行け」と大反対されるでしょう。でも、北九州はもともとそういうカルチャーを持った地域なので、違和感なく普通に受け入れてくれます。その風土がとても大事なんです。

人間の負を受け入れることに関しては、北九州が歴史上もっとも得意としていることなんだと思いますよ(笑)。 

【漫画あり】全身根性焼き、舌も自分で噛み切った兄のために弟は…。『「子供を殺してください」という親たち』が伝える、切り捨てられる者を生む日本の矛盾_7

――北九州モデルをベンチマークに、制度や仕組みから変えていこうということですね。

そうですね。基本的な部分はもうでき上がっていて、児童養護施設とセットにしてスタートするつもりです。児童養護施設に預けられる子供の親御さんには、精神疾患の方が少なくない数いますし、また、預けられた子供が精神疾患を発症してしまう確率が高いこともこれまでの取材でわかってきました。

子供の問題であれば、行政も介入せざるをえませんし、親子を丸ごと見守れる環境づくりや、早期に対応していく方法を築いていこうと努力しています。

まずはこの「北九州モデル」を実現して、いろいろな自治体へと広げていきたいですね。