現代における創価学会の役割

長井秀和が語る「創価学会の宗教2世問題」。被害者たちがそれでも宗教から逃れられない理由_2

ーー改めて今、注目をあびるようになった宗教2世の問題点と、それをどうしたら解決できるかをお伺いしたいんですが、いかがでしょうか?

宗教2世の問題は、宗教によってもそれぞれ違うというところがあるんですが、特に大人になってからだと精神的な呪縛や家族とのギャップに悩まされる部分があります。私はどちらかというと精神的な呪縛はほとんどなかったんですけど、旧統一教会の方とかは、自己否定に苛まれながら生きてきた方がいらっしゃるんです。

自分が神のためだったり、仏のためだったり、そういうところで生きてこざるをえなかった人たちが、それがなくなった途端に「本当にそれでよかったのか」という虚脱感に襲われたりします。

だから行政が被害者救済法案を立ち上げるのであれば、宗教的な呪縛、家庭的な呪縛、精神的な呪縛、財政的な呪縛というもので苦しんできた人たちに対して、包括的な理解をした上で関わり合いをしていただきたいと思います。

ーーなかなかそこが行き届いていないですもんね。長井さんは創価学会に入ってよかったと思うところはありますか?

どうでしょうね。創価学会の現代的役割は、もうあまりないんじゃないかと考えています。創価学会は互助、助け合いネットワークの組織なので、平成の前半ぐらいまでは、そういう部分で都会に出てきて身寄りのない、友達がいない人たちにとって大きな互助組織になっていたんですけど。

ーー私もいろいろな政党を取材したときに、公明党の特徴というのは、まさに創価学会に支持されていることだと思いました。例えば自民党だったら大企業とか大きな声が通りやすい中で、公明党は、地域の一人ひとりの市民の声を地区の支部などが拾い上げやすいところがいいと思ったのですが。

かつてはそういう要素もあったと思います。ただ、私は今、西東京で1年以上政治活動をして、地域貢献活動もしているんですけど、公明党の方々が出てくるのは見たことがないんですよ。平成の前半ぐらいまでの活動量に比べたら今は少ない気はしますけどね。あくまで肌感覚の話ですが。