慌ただしく入った水族館に、客は自分しかいなかった

海岸沿いの国道から一本陸側に入った道沿いに建つ“むろと廃校水族館”。
駐車場には数台の車があったが、人影はまったくなく、心配していた混雑はなさそうだった。

水族館入り口となっている“昇降口”へ向かうと、左手に石碑のような四角い物体があり、そこには「室戸市立椎名小学校」と、廃校になった小学校名が記されていた。
側面には校歌の歌詞が、反対側には学校の創設から廃校に至り、水族館になった経緯が年代順に書いてあるのだが、回り込むと石碑のように仕立てているのはコカ・コーラの自動販売機だった。

車中泊旅で真冬の室戸岬近くの“廃校水族館”に行ったら、客は最初から最後まで自分一人だった_2
昇降口横にある石碑風の物体
車中泊旅で真冬の室戸岬近くの“廃校水族館”に行ったら、客は最初から最後まで自分一人だった_3
コカ・コーラの自動販売機だった

こんなネタが色々仕込んである場所のようだ。
油断できないが、なかなか楽しそうではないか。

昇降口から入ると受付があり、スタッフの若い男女が、どうやら地元民らしいおじさんと楽しげに話し込んでいた。
ずいぶんのんびりした感じだね、と思いながら600円でチケット購入。
閉館時間が近いというのにバタついた雰囲気はまったくなく、スタッフからも「ごゆっくりどうぞ〜」とのんきに送り出された。

そしてまあ実に驚くべきことに、そこから先、水族館をくまなくグルリと見て昇降口に戻ってくるまで、他のお客さんにはまったく会わなかったのだ。
つまり、広い水族館を独り占めにできたのである。