背景には欧州の女子サッカーバブル=過密日程も

イングランドの女性ジャーナリストAlina Ruprechtによると、ドイツ1部のバイエルン・ミュンヘン女子チームのアレクサンダー・シュトラウスヘッドコーチは、「クラブや連盟だけでなく、さらに上の組織が現実に目を向ける必要がある。来年のスケジュールは狂っている。ポイントとなるのは、選手の人数やローテーション起用だろう」とリーグの過密日程に警鐘を鳴らした。

また、同氏は「パンデミック後の変化があまりにも速かったのではないか」と指摘した。

欧州の強豪チームは、年間40〜50試合をこなす。背景には、女子サッカーの商業価値が向上し、未曾有の女子サッカーバブルが起きているという事情がある。トップクラスの選手たちは常に緊張感に晒され、ケガのリスクと向き合っているのだ。

では、日本はどうだろう。WEリーグでは、昨季、各チームが始動してからの2年間で膝のケガについて出されたリリースの数は「50」(内側/外側側副靭帯損傷、半月板損傷を含む)。今年の夏以降のACL損傷は12名で、中には代表候補選手も含まれる。これは、イングランドよりも多い数字だ。

ただし、欧州のような過密日程ではなく、WEリーグは年間25〜30試合。1年目は年間20〜25試合前後で、「試合数が少なくてコンディションが保ちにくく、興行面でも盛り上がりにくい」という声が上がったため、今季からカップ戦が新設された。さらに試合数を増やすためには予算の壁が立ちはだかる。

潤沢な予算がある一方で試合数過多が問題視されている欧州とは対照的だが、興行面と選手の負荷のバランスを改善する必要性は共通している。