高齢者に多い低体温症

低体温の最大のリスクは、自分でなかなか気がつきにくい点です。
例えば手を洗うときでも、最初は水が冷たいと感じますが、次第に感覚が慣れてくるということは経験があるかと思います。
冷たさは暑さより慣れやすいため、寒い屋外での作業などは低体温になりやすい環境といえるのです。

特に高齢者は身体能力や、認知症などによって認知機能が衰えていたりするため、感覚が鈍くなってしまい屋内でも低体温になりやすい傾向があります。
また、高齢者が住んでいることの多い昔ながらの家屋の構造によって、外気の温度が家の中に入りやすい、寒い部屋や場所があるなども屋内で高齢者が低体温になりやすい原因の一つです。

低体温になると筋肉が硬直するため、血液や栄養を体に十分に行き渡らせることができなくなるので、血管障害や糖尿病など、持病の多い高齢者は症状が悪化しやすく、体にさまざまな不調がでてしまうこともあります。

さらに高齢者は、ほかの世代に比べて運動量が少ないということも原因に挙げられます。体を動かすことによって、血行がよくなり、体温は上がりますが、健康問題を抱える高齢者にとって運動する機会は少ないので、低体温に注意が必要なのです。

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ただし低体温症は、低い気温、体が濡れた状態のままでいる、風が強いなどの条件でなりやすいので、酔っぱらって外で寝てしまうといった状態では若い人でも低体温になり、場合によっては凍死に至ることもあるので、気をつけましょう。