指は「卵を包み込む」ように
タッチタイピングを習得するには、やはり「ホームポジション」の活用が最も効率的だ。なぜなら、たくさんのキーを10本の指で分担するための基本的な方法であり、指とキーボードの構造からも理に適っているからだ。
ホームポジションの基本は、[F]キーにある小さな突起に左手の人差し指を置き、[J]キーに右手の人差し指を置いたら、そのまま隣のキーに中指以降を置いていく。そして、指を置いた場所からそれぞれの指が担当するキーに移動して入力し、打鍵後は元のホームポジションに指を戻す動きが標準的な方法だ。
そして、稼働域の広い左右の人差し指は2列分を受け持ち、入力する頻度が低めの記号キーなどは右手の小指が受け持つのが一般的だ。遠くのキーを押してポジションが崩れる場合も、どれか1つの指をアンカーとして残すことで元のポジションへの復帰が容易になる。
また、ホームポジションを意識するあまり指を不自然に平らに置いている人もいるが、指は卵を包み込むようなフォームが望ましい。その際、腕は少し八の字型に開き、肘も90度以上開くと遠くのキーも打ちやすくなる。
まずは、こうしたタッチタイピングの基本フォームや運指の習得が重要だが、隅野さん曰く「慣れてきたら必ずしも指の分担や運指にこだわりすぎなくてもよい」そうだ。