人生第2のターニングポイントとなった「フェミ男ブーム」の光と闇

90年代前半に巻き起こった「フェミ男」ブームを覚えているだろうか。いしだを筆頭に、現在「筋肉美」で再ブレイクを果たした武田真治(50)ら中性的な男性が、キャスケットに細身のブラウスなどフェミニンなファッションに身を包んだことから始まったブームである。
いしだはドラマのヒットだけではなく『フェミ男』ブームのアイコンとしてカリスマ的人気を博した。当時の話になると、いしだはふとシリアスな表情になり、こう述懐する。

「正直、怖かったですね……。自分がプライベートで買い物に行くと、その様子が写真誌に撮られ、そこで買ったものが翌日には売り切れになる。
例えばABCマートでスニーカーを買って帰って、1週間後そこに行ってみたら、『いしだ壱成が買った靴これ!』みたいなポップがついてて、ベストセラーみたいな感じになっちゃってる。今考えるとすごいいいことじゃんとも思うんですけど、当時は怖かったですね。イメージが一人歩きして、自分が何だかわからなくなっちゃって。元々、ただの島の少年ですから、完全にキャパオーバーとなった」

「天狗だった当時は人を見下していた」「女性は性の道具だった」いしだ壱成が語る“90年代フェミ男ブーム”の栄光と転落_3

気がつけば国民的人気者となっていた、いしだ。その環境の変化は、まだ若かった当時の彼に大きな影響を及ぼした。

「天狗になっていましたね。わかりやすくいうと、完全に人を見下していました。
『どうせ金なんだろ』って。人ってやっぱり『お金』で動くんだって。

例えば、女性は完全に“性の道具”になっちゃってましたし、テレビ局で自分の楽屋に行くと“関係者”を名乗る人がズラーっと並んでたりするんですよ。自分はそれだけ影響力がある人間だと思ってしまい、人に何かを与えるというよりも『これは見返りがあるかな?』とかって考えてましたね。
今、思えば最低なんですけど、求めてばっかりいたなっていう。もう、何がよくて、何が悪いのか、全てわかんなくなっちゃって」

「天狗だった当時は人を見下していた」「女性は性の道具だった」いしだ壱成が語る“90年代フェミ男ブーム”の栄光と転落_4

さらには、自分の稼いだギャラが父・石田純一に使い込まれていたことが発覚する。

「なんかおかしいな、こんなに仕事しているのに、なんでギャラがこんなに少ないんだろう?って不思議に思って、スタッフに聞いたところ、『実は……』って。それで、また『親子関係っていうのもやっぱり金なのか』ってなってしまった」