NFTを活用した“自分だけのトレーディングカード”

さらに、今話題のブロックチェーン技術によるNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を活用したサービス『PALYBACK9』をスタートさせた。“自分だけのトレーディングカード”として発行上限数を決め、シリアルナンバーを入れることで販売を始めている。

「NFTが話題になったとき、社内外の色々な方と『技術として使いたいよね』という話になりました。今回に関して言うとデジタル上で感動の瞬間を保存していくことが今後、価値になっていくのではないかとの考えからトライに至ったんです。まだまだ国内のNFT市場は成熟していませんが、ひょっとしたら我々が日本におけるNFTプロダクトのフロントランナーになれるかもしれない」

「もちろん全力で成功するための努力はしますが、仮に失敗したとしても『ああ、ダメだった』ではなく『失敗したけれども、次に行こう』と思うことが、ビジネスではなにより大切だと考えています」

メタバースにNFTも。横浜DeNAベイスターズが掲げる「世界一」戦略の全貌①_c
NFTを活用し、DeNAベイスターズの試合の名場面をトレーディングカード化した『PALYBACK9』。

思えばこの10年、DeNAベイスターズは事業面においては常にトライ&エラーを繰り返してきた。

「チャレンジすると、時に何かを失う可能性もありますが、まだなにも勝ち取っていない我々が変化を恐れてはいけません。勝ち取るまでチャレンジを止めないことが、DeNAベイスターズのスタイルだと思っています」

木村洋太球団社長インタビュー#2に続く

撮影/下城英悟