2023年、金利上昇で市場の三極化はますます進む?

長らく金融緩和政策を維持してきた日本だが、2022年には米国と日本の金利差に起因する住宅ローン固定金利の上昇が見られた。2023年4月には、異次元緩和“黒田バズーカ”を仕掛けた張本人でもある日本銀行の黒田東彦(くろだ・はるひこ)総裁が任期終了を迎える。

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金融政策の転換が見られれば、“史上最低”ともいえる水準を維持していた住宅ローンの変動金利も上がる可能性がある。金利上昇もまた、日本の不動産市場の三極化を進めるものだと長嶋氏は考える。

「金利が上がれば、不動産価格は下落するのが自然の摂理。しかし、全ての不動産が同様の下がり方をするのではなく、ここでも三極化が見られるはずだ。つまり、価格を維持する不動産、金利の影響を小さく受ける不動産、大きく影響を受ける不動産に分かれるだろう」

金利はどれほど上がるのか?

金融政策の転換が見られたとしても、長嶋氏は、米国のような急激な利上げや住宅ローン金利の上昇は見られないと推察する。

「日本銀行は、金利を上げたくても上げられない状況にある。日銀は大量の国債を抱えており、金利を上げすぎると債務超過に陥ってしまう。ざっくりとした試算だが、日本の金利上昇のラインは2%ほどが限度だと考える」