「野球は男子のスポーツ」「女子の選択肢が少なすぎる」を変える。東京六大学初の女子硬式野球部をつくった明大生たちの挑戦_9

高校生から「目標ができました」との連絡

明大に女子野球クラブができたことで、中高校生やその親から「目標ができました」「明治大学を受けたいです」という連絡が寄せられているという。

「高校選択の時点で『勉強か、野球か』となったとき、将来を見据えて高校で野球をやめてしまう女の子が、特に埼玉県などの首都圏で多いそうです。このクラブができたことで、明大を目指して実際に受験してくれた子もいました。ひとりの人生を変えた出来事で、まさに『お金で買えない価値』が生まれたということ。本当にうれしかったです」(藤﨑さん)

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女子野球の経験者が増えていけば、将来母親になったときに子どもに野球を勧めることで野球人口が増えていくことにもつながるはず、と期待を寄せる藤﨑さんは、さらに思いを込めてこう語る。

「読売ジャイアンツ女子チームの初代監督に就任した宮本和知さんが『父親と息子のキャッチボールを、母親と娘のキャッチボールに変えていきたい』とおっしゃっていたように、これから『甲子園に出たお母さん』『明治大学で野球部だったお母さん』を増やしていくことで、少しずつでも野球界に貢献していきたいと思っています」

取材・文/堤 美佳子
撮影/是永日和