話題は後輩芸人への悪口へ……
――ウエストランドさんのネタの傾向として、身近な生活に関する愚痴から、徐々に社会全体への愚痴に移り変わってきた部分があると思います。なにか心境の変化などあったのでしょうか?
うーん、どうですかね。別に身近だからとか、社会的にあれだからとかじゃなくて、単純にムカつくんですよ。別に、いまだに言ってますからね。劇団員がどうとか、ラジオのハガキ職人がどうとか(笑)。調子乗ってる後輩芸人の悪口とか、なんでまだ10年前と同じテンションで怒れるんだよ、もういいだろ! みたいなことも言われますけど(笑)。
いまだにそれはそれでムカつくんで、変わんないですよ。こっちの方がウケるっていう判断だけじゃないですかね。
――もうムカつく対象も大体後輩になってきてますよね。
確かにそう考えたらそうっすね。ひどい話ですけどね(笑)。まあ結局ね、知り合っちゃったら大体みんないいやつなんで。知り合う前に悪口言い切らないといけないんですよ。
――でもそれって、普通に仲良くなった方がよくないですか……?
ぼくなんてうるさく言うんだから、気を付けなきゃダメだぞっていう教えでもあります。なんでそんな井口の前で弱みを見せるんだって、後輩たちに一応伝えとかないとっていうのはあるので。
こないだワールドカップをどうチェックしてるかみたいな密着取材がついてたんですけど、延々後輩の悪口しか言ってないんで、もうスタッフさんがマジで引いてましたよ。こんなの密着しても意味ねえよって(笑)。パーパーのあいなぷぅにも、なんで会ったこともない人の悪口をそんなに言えるんだって引かれましたし。
――わざわざライブに来て、あまり親しくもない後輩芸人の悪口を言って(笑)。
いずれは後輩たちの時代になるわけじゃないですか。ストレッチーズとかママタルトとか、たまたま今回決勝には行けなかったけど、その世代が今メインにいるわけですから。
だから常に交流はしといた方が絶対いいですからね。ぼくの場合、それが「悪口を言う」ってやり方だっただけで。
――なるほど。井口さんにとって、悪口が後輩とのコミュニケーションツールだったんですね。
そうです。で、今それを広げて神保町のよしもと漫才劇場で調子乗ってるやつがいないかとか、そういうのをこまめにチェックしてるところですね。たまに後輩をスパイとして送り込んで、楽屋の会話聞いてこいって言って。
やっぱ配信とかですごい潤ってて、投資の話とかしてるかもしれないし。してたからなんなんだって話ですけど(笑)、そういうのはやってますね。