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写真表現に通じるものは、舞台かもしれない

広末涼子さんは「写真が好き」なのだという。

14歳でデビューした無邪気なその頃は、カメラマンが発する「いいね!」「かわいいね!」という言葉だけでもうれしかったし、「こんなに最初から自然に動ける子なんていないよ!」と褒められた日には、うれしすぎて天にものぼるような心持ちだったそうだ。

ちなみに、「そんなことねぇ、誰にでも言ってるのよ」とクールにたしなめたのは、広末さんの母だったわけだが、それでもいまだに、広末さんは「写真が好き」なのだという。

なぜ、彼女は写真が好きなのか。好きの向こう側には、撮られるということの難しさや魅力があるのではないか。キーワードとして〝無意識〟を選びながら、広末さんは言葉を続けた。

「10代の頃は常に写真を撮られていました。取材でもそうだし、なんなら移動中や現場もずっと撮ってくださるカメラマンさんもいて。それが『NO MAKE』という写真集になったりもしました。だから、撮られることを意識しているようで、実は無意識だったのかもしれないですね。

そのせいか、〝私の無意識は、本当の意味での無意識ではないのでは?〟と考えることはいまだにあります。ふだんの生活でも〝こういう人でありたい〟とか〝こういう姿じゃないと〟みたいな視点というか、常にもうひとつの目で自分を見ているような気がします。

それって、職業病だと思っているんです。本当の意味で無意識な状態って、ものすごく家事を頑張ってる時ぐらいですかね。家事に夢中になっている時って、見た目もそうですけど、なりふり構っていられないですから(笑)。

自意識過剰かもしれないですけど、若い時から常に見られている意識がありました。現場はもちろんのこと、外を歩いていてもそうだし、いつ写真を撮られているかわからない。

通学時も撮られてましたし、こっそりデートに行っても撮られましたし、いまでもスーパーで買い物してるところを撮られるし。私が買い物しているところの写真なんて意味ある? とは思うんですけどね(笑)」