ビジネス業界でも引っ張りだこの佐久間プロデユーサー

このオフゼロ企画、仕掛人は佐久間宣行プロデューサーである。

佐久間Pといえば、元々は『ゴッドタン』等で有名なテレビ東京所属の裏方だったが、近年はフリーとなり、ラジオパーソナリティや司会、コメンテーターなど「出る側の人」としても活躍している。

そんな様々な肩書きを持つようになった佐久間Pだが、ベストセラービジネス本執筆者の顔も持っている。2022年4月に出版された著書『佐久間宣行のずるい仕事術』は発売1ヶ月で10万部を超えたと発表があった後も売れ続けており、Amazonレビューコメントが1600件以上もついている。しかも大半が絶賛のコメントだ。

ビジネス業界もそんな佐久間Pを放っておくわけはなく、数々のビジネスイベントに登壇している。ざっとネットで調べただけでも「ユーザの体験価値を高めるコンテンツとは?」「はたらくってなんだろう」「ブランディング戦略とは」など、ありとあらゆるテーマで引っ張りだこになっている。

そんな佐久間Pが今回のオフゼロ企画にたどり着き、それを見たサラリーマンの私が、これはビジネス研修でも通用する内容だなと考えたのは、偶然とは思えないのだ。

芸能人を「ひとりの仕事人」として見る視点

芸能界というのは特殊な世界と言われる。一時期、引退状態で、最近芸能界に復帰した春香クリスティーンはインタビューで「芸能界は特殊な世界。そこにいる私には社会常識はなく、一度この世界を飛び出してみようと思った」と語っている。

しかし本当にそうなのだろうか。

佐久間Pは大学を出てすぐテレビ東京に入り、バラエティ番組のスタッフとしてどっぷりテレビ業界・芸能界に浸かってきた。企業に勤めていたという意味ではサラリーマンだが、ただのサラリーマンでは全然ない。

だが彼の著書『ずるい仕事術』で語られる仕事のコツは極めて普遍的で、どんな業界で働くビジネスマンにも通底するような内容だ。テレビ業界や芸能界という浮世離れした場所での武勇伝ではなく、サラリーマンなら誰しもが抱く感情や葛藤を乗り越える秘訣がそこにはある。

そして一歩引いて見てみれば、たとえ芸能人であろうとも「ひとりの仕事人」に他ならない。芸能界という大きい組織の人間関係の中で足掻いているという意味では、我々と同じなのかもしれない。

この「オフゼロオードリー」はそういうことが炙り出された企画のような気がするのだ。

「オフゼロオードリー」が仕掛けた? ビジネスコンテンツ目線で見たいテレビ番組の価値_1
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