個人的なツボにハマる品々がたくさん展示されていた
個人的に特に興味を惹かれ、しばし足を止めて隅々まで見入ってしまったのは、学研ホールディングスが展示している「科学のふろく」だった。
学研が発行し、通称“学研のおばちゃん”が毎月自宅まで届けてくれた学年誌『○年の科学』は1957年の創刊。
最盛期の1979年には、兄弟誌の『○年の学習』(1946年創刊)と合わせ、月に670万部(2誌、6学年の合計)という驚異的な発行部数を記録したというが、両誌とも惜しまれながら2010年に休刊している。
1969年生まれで、1979年には4年生だった僕の小学生時代の思い出は、まさに科学のふろくとともにあるといっても過言ではない。
こうして展示されているふろくをひとつひとつ見ていると、あまりの懐かしさに目頭が少し熱くなるのをおぼえるほどだった。
そういえば当時の僕は、“科学と学習”だけではなく、学研の『○○のひみつ』という学習漫画単行本シリーズも大好きだった。
勉強に役立つ漫画だからと親も文句を言わずに買ってくれたので、ほとんどのタイトルを揃え、繰り返し繰り返し読んでいたよな〜と懐かしく思い出しながら展示会場を進んでいたら、それもありました!
会場中央部には、一般公募に応じて全国から寄せられた候補から、審査を経て選出された“ワタシの宝物”が展示されている。
その中に『昭和後期のこどもの「城」〜ある男子の勉強机まわり〜』という写真作品の展示があったのだ。
これがもう、かつての自分の勉強机そのものじゃないかと思えるほど、個人的には超リアルな物件。
またしても、足を止めてじっくり見入ってしまった。
そして、この誰ともわからない彼の机の上部に設けられている本棚に、学研の『できる・できないのひみつ』があったのだ。
懐かしすぎる!
そうそう、“ひみつシリーズ”の中でもこの『できる・できないのひみつ』は名作に入るタイトルで、僕も一番強く記憶している。
もはや他人とは思えない彼の机にはほかにも、ダブルカセットのラジカセや千両箱型の貯金箱、二艘式の黄色い絵の具筆洗い、将棋の駒型で「通行手形」と書かれた観光地みやげ、『宇宙戦艦ヤマト』のポスターカレンダーなどなど、記憶の彼方にある懐かしき品々が写っていて、非常に感慨深かった。
果たしてこれが“150年後の国宝”というテーマに沿っているのかどうかということなどは忘れ、しみじみとさせてもらいました。
個人的な思い入れを長々と書いてしまったが、会場にはほかにも、企業部門、一般部門ともにたくさんの“国宝候補”が展示されている。
ジャンルはファッションから建築、食品、乗り物、ガジェット、文化、技術など多岐にわたっているので、訪れた各人の趣味嗜好や仕事、歩んできた人生の道のりに応じて、必ず「むむ、これは」と思えるものが見つかるはずだ。
展示は2023年1月29日までおこなわれるそうなので、興味のある人はぜひ訪ていただきたい。
当日券は必要ないので、思い立ったらすぐに行ってみよう!