ほったらかしで資産を増やす「投資」の極意

――投資はやっぱり始めたほうがよいのでしょうか

預貯金につく金利では物価上昇をカバーできないので、実質的にお金の価値が減ってしまいます。1年分の生活費が確保できている人は、投資を始めたほうがいいでしょう。

投資信託は、複数の資産が組み合わされているのでリスク分散効果が高く、低コストで比較的安定したリターンを目指せます。長期的な運用でこそ成果を発揮するため、買ったら忘れるくらいで大丈夫です。

おすすめは、全米株式を投資対象にしている「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)」や「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」(※取り扱いはSBI証券のみ)です。両者とも投資対象はほとんど同じですが、SBIのほうが信託報酬(コスト)が低くなっています。

また、つみたてNISAやiDeCoは、投資で得た利益が非課税になる制度なので有効に活用したいところ。つみたてNISAなら毎月100円から3万3333円(年間40万円)まで投資できるので、今日から始めてみてもらいたいですね。

――運用において気をつけることはありますか

自分がどの程度のリスクを受け入れられるか、「リスク許容度」を把握しておく必要がありますね。

50代で数千万円持っている人が時間がないからと焦って、一括投資をして失敗することが多いです。初心者は投資に慣れていないので日々の値動きでパニックになります。特に数千万円も投資していれば、一日に100万円以上損をすることもあるので、メンタルが持ちません。もしかして騙されたのではないか、何か間違った物を買ったのではないかとパニックになり焦って売却をしてしまいます。

そういう人は頭ではわかったつもりでも、心がついてきていないので自分でも思ってもいないようなおかしな行動に出てしまうのです。

なので最初は月100円からでもスタートできますので、自分のメンタルを見極められるように焦らず少額から開始してください。
余剰資金=リスク許容度ではなく、自分の心のざらつかない程度=リスク許容度ですよ。