「捨て活」で前向きな人生を拓く
――以前は浪費していたとのことですが、どうやってミニマリストになったのでしょう
貯金ができるようになった頃、YouTubeでミニマリストの存在を知りました。少ないモノで暮らせばもっとお金が貯まるだろうと思って目指し始めました。
以前は、女子会や結婚式があるたびに服を買って、年間30万円は服に使っていました。人からお洒落に見られたいという見栄があったんですね。
また、50万円もするシャネルのバッグを持っている友人を羨んでいましたが、その人は結婚指輪の代わりにバッグを選んでいたんです。それなのに私は、指輪もバッグも全部を欲しがった。
Aさん、Bさん、Cさんそれぞれが持っているモノを、「みんな」が持っていると勘違いしていました。そんなに全部持っている人なんていないのに。架空の「みんな」という存在と自分を比較してしまうと、もう浪費の始まりです。だんだん、人と比較せず自分に必要なモノを持てばいいのだと気づきました。
――ご自宅には冷蔵庫も洗濯機もないんですよね
食事はお弁当か外食にしているので、冷蔵庫も電子レンジもお皿もありません。洗濯は週に1回、まとめてコインランドリーに持っていきます。
モノを捨てると判断力もついてくるんですよ。健康や友人との時間など、意味のあることにだけお金を使えるようになりました。自分の人生を自分で選べると、自信がつく。精神にも余裕ができ、儲け話にだまされることもなくなります。
私自身がそうだったように、人生で悩んでいる人や苦しい人は、モノを捨てみると人生が好転するかもしれません。
取材・文/吉村しおん 撮影/佐賀章広