<長岡綾子>
注目されない「面白さ」を伝える
豆腐のパッケージ裏面の模様、文具を花器に見立てた生け花、お菓子のパッケージに見立てたホームセンターの日用品……どれも日常でよく目にするものだが、こんな見方ができるとは。デザインを生業にしている長岡綾子(りょうこ)さんのものを捉える視点に唸った。
長岡さんは「美術に興味を持ったときに、こちら次第で世界の見え方が変わるんだと感動したことが発端で。何でもない日用品やゴミが、視点次第で面白くなったら精神的に豊かになるのではと思いました」と話す。
一連のシリーズは、誰も注目していないようなところに面白さが潜んでいることを教えてくれる。今年は、研究者へのインタビューと写真を通して研究の魅力を伝える雑誌『Q』の制作も開始した。
「知られていないことを伝えていきたい」と、誠実に情報を届けようとする姿勢が印象的だった。細部に宿るデザインのこだわりにも注目だ。