『タッチ・ミー・ノット〜ローラと秘密のカウンセリング〜』(2018)Touch Me Not 上映時間:2時間5分/ルーマニア・ドイツ・チェコ・ブルガリア・フランス

グロテスクなのに美しく、クレイジーなのに感動的! 奇妙奇天烈なカルト映画5選_4
Capital Pictures/amanaimages

ガス・ヴァン・サントやウェス・アンダーソンらの作品を押しのけ、第68回ベルリン国際映画祭の金熊賞(最高賞)と最優秀新人作品賞をダブル受賞したことで話題になった映画。ルーマニア出身の新人女性監督アディナ・ピンティリエの長編初監督作だ。

主人公は、人に触れられることに激しい拒絶反応を示す、精神的な障がいを抱えるローラ(ローラ・ベンソン)。彼女はある日、身体的障がいを持つ人々が語りあい、身体に触れあうことで自身を見つめ直す不思議なカウンセリングを目撃し、自分を解放させていく……。

自由に四肢を動かせない者、病により全身の毛がなくなった者など、さまざまな症状を抱える人々と俳優の演技とが混ざり合い、フィクションのようでいてドキュメンタリーのような印象も受ける不思議な作品。

障がい者の“性”というセンシティブなテーマを扱いながらも、覗き見るような居心地の悪さではなく、見終わってなぜか優しい気持ちになれるような作品だ。

これら4本の作品はいずれも北欧の映画だが、そのカルト映画比率の高さ、恐るべし!