『ボーダー 二つの世界』(2018)Gräns 上映時間:1時間50分/スウェーデン・デンマーク

グロテスクなのに美しく、クレイジーなのに感動的! 奇妙奇天烈なカルト映画5選_2
Capital Pictures/amanaimages

独特の世界観という点では、スウェーデンのダーク・ファンタジー&ミステリー『ボーダー 二つの世界』も引けを取らない。

スウェーデンの税関職員として働く醜女ティーナ(エヴァ・メランデル)は人並外れた嗅覚で密輸犯や違法ポルノ所持者を嗅ぎわけることができるのだが、あるとき、怪しいと睨んだ旅行者ヴォーレ(エーロ・ミロノフ)に、本能的に自分と同じ“何か”を感じ取る。

やがて、ヴォーレを自宅の離れに住まわせたティーナは、彼を通じて自身の出生の秘密(人間ではない別の種族である真実)を知ることになる。

ホラーなのか、ミステリーなのか、恋愛映画なのか。ひとことで言い表すジャンルが存在しない映画だとしか、言いようがない。

先の読めない展開はもちろん、彼らの種族の性行為が、人間と異なるやり方であることを示すシーンなど、ディテールの描き方の半端ないグロテスクさが、この作品を一度見たら忘れられないものにしている。