多様化する「ご褒美シーン」を取り込めるかが肝
また、最近の消費者調査ではF1層(24~34歳)の女性の価値観に変化が生じているという。
「ハーゲンダッツではメインターゲットをF1層(24~34歳)の女性に設定しています。かつては、特別なシーンや非日常を味わうためのご褒美需要がメインでした。それが最近では日々過ごす日常の中で、ちょっとしたご褒美を味わいたいと考える方が増えているのが調査でわかってきました。
コロナ禍で家にいる時間や自分の生活を見つめ直す時間が増えたのもマインドの変化につながっていると考えていて、頑張った自分を褒めたい、疲れている自分を労いたい、癒されたい、のような日常のいろんなシーンにハーゲンダッツが入っていけるようなコミュニケーションを、今後も継続していく予定です」
だが、まだ先が見えないウィズコロナの時代だからこそ、「アゲインスト(向かい風)を見極め、チャレンジしていくことが肝になる」と田子氏は気を引き締める。
「10月から全国旅行支援が始まり、消費者の意識も外に向き始めるため、これまでの巣ごもり需要の落ち着きが予想されます。こうしたなかでも、旅先でハーゲンダッツを食べてもらうなど、いかに色々なモーメントでハーゲンダッツを手に取ってもらえるかを考えるのが使命であり、今後も取り組んでいくべきことだと認識しています。これからもお客様の期待を超える商品を届け、喜びと感動が提供できるよう尽力していきます」
何種類食べたことある? ハーゲンダッツのカップアイスクリーム(すべての画像をクリック)
取材・文/古田島大介