アソートタイプや片手で食べられる定番商品が伸長

コロナ禍という厳しい市況の中でも過去最高売上を達成できた要因について伺うと、「コロナ禍で増えた巣ごもり消費が加速し、家でアイスクリームを食べる機会が増えたのが大きい」と田子氏は話す。

「2020年のコロナ禍に入った初期は、先行き不透明な社会情勢の影響から、消費者の生活防衛意識が働き、嗜好品は二の次でマスクや除菌スプレーを買い求めていたため、厳しい状況でした。そこから『ステイホーム』が叫ばれ、まとめ買い需要やプチ贅沢志向の高まりからハーゲンダッツのアソートタイプの売上がコロナ禍以前よりも伸長しました。また、テレワークの常態化によって『バー』や『クリスピーサンド』といったワンハンドで食べられる商品のニーズも高まりました」

過去最高売上528億円を記録。「ハーゲンダッツ」が見せた価値観の変化への対応力_1
1箱でいろんなフレーバーが楽しめるアソートボックス
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そして、2021年はハーゲンダッツにとって節目と言える年だった。

“タコス”をヒントに開発された日本発の「クリスピーサンド」が発売20周年を迎え、さらには日常の中のさまざまなご褒美シーンに向けたブランドコミュニケーション「ハローしあわせ。」を発表。

過去最高売上528億円を記録。「ハーゲンダッツ」が見せた価値観の変化への対応力_2
テレビCMやYouTubeでも配信されている

新しいブランドコンセプトのもと、レギュラー商品で最も人気の高い「バニラ」の香りにフォーカスしたマーケティングを展開したのだ。