「最初はただのナンパかと(笑)」インスタのDMでスカウトされた雪平莉左のシンデレラストーリー_02

ミステリアスなラウンドガール

――元々、フジボクシングのリングガールをやっていたそうですね。

後楽園ホールで行われている興行に月1ペースで出ていたのですが、世界戦は初めてでした。さいたまスーパーアリーナのような何万人規模の会場に立つなんて他のお仕事でもやったことがなかったので、お話をいただいたときから不安と緊張が止まらなくて。当日はメインの前にもラウンドガールとして立ったのですが、ずっと緊張しっぱなしでした。

――リハーサルはあったんですか?

当日に1回ありました。私も知らなかったんですけど、スペシャルゲストで布袋寅泰さんがいらっしゃってリング上でリハーサルが始まったんです。生演奏の迫力に衝撃を受けて、「これは絶対に盛り上がるだろうな」とリハーサルの時点からウキウキして。もちろん緊張はありましたが、選んでいただいたからには私も楽しみつつ、精一杯頑張ってラウンドガールとしてのお仕事を全うしようと心に決めました。

――井上選手の入場時、布袋さんのギターカッコよかったですよね。それほどの緊張感に包まれると頭の中が真っ白になりそうですが……。

会場の雰囲気に圧倒されて、緊張もあって笑顔を出せなかったです。試合後のニュース記事を見たら、自分が思っている以上に顔がこわばっていて(笑)。1ラウンドでKOするんじゃないかなってくらいの戦い方だったじゃないですか。会場のお客さんがザワザワしている中を歩く状況だったので、1分間という決められた秒数を考える余裕もなかったですね。

――選手が休憩する1分間のラウンド間に、ボードを持ってリングを歩くのがラウンドガールの役目。普段は頭の中で1秒2秒って数えるものなんですか?

数えるというより身についているというか、普段は感覚で時間配分ができるんです。でも、世界戦のときは観客席がザワザワしている声が私の耳にも聞こえてきたので集中できず、「第2ラウンドはどうなるんだろう」と気にしながら歩いたのであのミステリアスな表情になったんだと思います(笑)。

――そんなミステリアスなところも魅力になってますが、普段の雪平さんってどんな方なんですか?

マイペースですね。親しい友人からは「人の話を聞かないよね」と言われることもあって。他人にそこまで関心がないというか、たぶん自分中心で回っているところがあるのかもしれません(笑)。大人になってひとりでふらーっと出かけることも多くなりましたし、S N Sにプライベートの内容をあまりアップしないので、そういう点では私生活が見えづらいのかなって思います。

――ひとりでどこへ出かけるんですか?

よく行くのは映画館ですね。仕事が終わってからパスタ屋さんとか定食屋さんに行ったり、ひとりで行動することが増えました。近所にあるお魚の定食屋さんがお気に入りで、周りの目を気にすることもなく、男性のお客さんに混じって黙々と魚を食べています(笑)。