「インド映画ってエモーショナルなんです。表情が思いっきり豊かで喜怒哀楽が激しくて。開放感があって、自分も感情を出せるようになるというか」
そのエモーションでひとつの作品を日本に送り出せたわけだが、これは画期的な出来事かもしれない。
「ほかの人も、異業種からでも『推し』の映画を公開してくれたら、一般の配給会社が買わないような作品が観られるようになるじゃないですか」
本当に大好きな作品を世に送り出す、格好の「前例」となるかもしれない。
稲垣夫妻が情熱を傾けた本作、富久さんは「とにかく元気をもらえる映画です」と語る。観ればきっと、その情熱が伝わってくるだろう。
取材・撮影・文/室橋裕和
「追っかけ人生の集大成です」 インド料理店主が買い付けたインド映画が異例の大ヒットで全国展開へ!
10月1日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで封切られたインド映画『響け!情熱のムリダンガム』の客足が好調だ。実はこの映画、配給しているのは映画業界とはまったく畑違いの小さなインド料理レストランの店主。個人が映画を買い付けて配給・公開するのは、日本では初めてではないかといわれている。
日本の中のアジアを旅する#12
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