間違いを呼びこんでしまう構造的問題

タカトシやなすなかが間違えられるのは、彼ら個人のせいなのだろうか。いや違う。これはたぶん構造的問題である。

二組の共通点は、

(1)名前が並んでいるコンビ名である
(2)ソロ活動は少なく基本コンビで活動する


ということだ。この条件が揃うと二人セットで覚えてしまうため、どちらがどちらなのかをあまり気にすることがなくなってしまうのだ。

芸歴だとか、外見が似てる似てないはあまり関係ない。現に「今くるよ」でネット検索すると「今くるよ 死亡」とキーワードが提案される。

ちょっと待て、くるよ師匠は存命だ。2015年に亡くなられたのはいくよ師匠の方である。縁起でもない。

今いくよ・くるよのコンビでの活動期間は1970年から実に45年。痩せてまつ毛ばっちりメイクなのがいくよ師匠、ふくよかで(最近だいぶ痩せられましたが)「どやさー」と言っているのがくるよ師匠である。

たとえ師匠クラスであろうとも、名前が並び、コンビで活動する機会が多いとどちらがどちらか曖昧になってしまうのである(ちなみにコンビ名の「今いくよ・くるよ」で検索しようとすると「どっち」とキーワードが提案される。やはり皆分からなくなっている)。

「おぼん・こぼん、どっち?」を答えられる?

とくに昔の漫才師はこの原則に当てはまる人が多い。

いとし・こいし(夢路いとし・喜味こいし)、中田ダイマル・ラケットなんかもそうだし、横山たかし・ひろし、青空球児・好児、大木こだま・ひびきなど、挙げ出したらキリがない。

これらのコンビ名をネットで検索しようとするたびに「どっち」が予測変換キーワードとして提案される。

ちなみに、最近『水曜日のダウンタウン』(TBS)で再び脚光を浴びた、おぼん・こぼん。どちらがおぼんさんで、どちらがこぼんさんか皆さんは答えられるだろうか。

おぼん・こぼんについてはちゃんと公式な覚え方=命名由来があり、大きいボンボンがおぼん、小さいボンボンがこぼんなので、身長で分かるという算段である。これでもう皆さんは「どっち」と検索しなくてもいい。