産んでも産まなくても、安定した生活が送れるサポートを

最後に、お二人が考える「理想の社会や性教育の在り方」をうかがった。

新橋:様々な信条や宗教がありますが、全ての人に平等に性教育が行き渡ってほしいと願います。また、それが科学的根拠のあるものであってほしいとも思います。話す側の意思が多少乗せられることはあったとしても、話す内容自体が科学的であることが大事です。

100%の避妊方法がない以上、予定外の妊娠はあり得ることと考えるべきです。特に若年層であれば、妊娠以降は学校に通うのが難しくなるので、「妊娠中、出産後でも通える学校」も求められています。

産む選択、産まない選択どちらを選んだとしても、その後の生活を安定させるためのサポートが整ってほしいですね。これら全てがすぐに叶うのは難しいかもしれませんが、可能なところから実現することを願っています。

また、若年層のセックスには、ポジティブなセックスだけでなく、寂しさを埋めるというネガティブな動機のセックスもあります。その背景には、複雑な家庭環境や家族関係が絡んでいることも多いです。海外では、家族関係のケアまでサポートしてくれるという学校もあります。日本でも、こういったケアが導入されてほしいと思います。

30年前から「性教育」が後退した“残念な国”日本。性教育後進国から抜け出すには?_2
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