漫画家系政治家の考える外交とは?
政治家となった赤松氏がメインに据えたいと考えている活動。それは「漫画外交」だという。
フランスでは、2009年には『ベルサイユのばら』で知られる漫画家・池田理代子氏に、レジオン・ドヌール勲章を授与するなど、他国のサブカルチャーにも最大級の敬意を払う文化がある。アメリカでも日本の「漫画」と、それを生み出す「漫画家」の社会的地位は、向上の一途を辿っている。
「フランスでは、2000年から日本文化の総合博覧会・ジャパンエキスポが開催されているのですが、2015年にオフィシャルゲストとして呼んでいただいているんです。あちらのファンの熱量は本当にすごくて、『「魔法先生ネギま!」の終わり方が中途半端なのはなぜか』とか多くの方が質問してこられて、もうビックリですよ(笑)。この知名度を外交に役立てたいと思っています」
かつて、プロレス界の大スター・アントニオ猪木が国会議員の時代に、その国際的なネームバリューによって、湾岸戦争時のイラク在留邦人人質解放に多大な貢献をしたように、日本で唯一、「国際的に人気の高い漫画家」と「国会議員」の二足のわらじを履く赤松氏だからこそ可能となる「漫画外交」がある。たとえば、文化大臣など高官の目前で自身のキャラクターイラストを描く「ライブペインティング」などを通じて、日本の漫画の文化価値の向上などに貢献するといったことにも期待が高まる。
「ウクライナで暮らす漫画家さんが『早く平和になって欲しい』って言っていたんですよ。『平和じゃないと漫画は描けないし、読めないよね』とか『漫画の力で世界平和を成し遂げたいよね』という思いで、世界がまとまる。そういったものが、私の目指す漫画外交のひとつなんですね。
絵を描ける人じゃないとできないこと、そして漫画家で政治家の私だからこそできることがわかってきたので、それを生かしてやっていきたいです。実は早速、9月にフランスに行く予定があるんです。とりあえずこの1年、私としてはしっかりと実績を上げるつもりなので、ぜひ見守っていただきたいです」と胸を張った。
刻々と変化する社会そして国際情勢の中、大好きな「日本のサブカルチャー」を守るため、そして「自らにしかできないこと」を見つけた彼だからこそ成し得るであろう未来を、52万8052票を投じた有権者と共に見守っていきたい。
取材・文/中村実香