まだまだある、受けておきたい「大人のワクチン」
③ 麻疹・風疹ワクチン
さらに「麻疹・風疹ワクチン」もあります。麻疹・風疹ワクチンは、基本的には子供の頃に皆さんが受けている予防接種です。しかし、定期予防接種に組み込まれたのは、麻疹のワクチンは1978年10月から、風疹も当時は女性のみしか接種が行われていませんでした。このため、1962年4月2日から1979年4月1日生まれの男性は、抗体価が低い場合に定期接種の対象となっています。
麻疹・風疹は大人になってからかかると重い症状が出やすいため、ワクチンの未接種を自覚していたり、上記に該当したりする方はぜひ受けておくといいと思います。自分自身がワクチンを受けたかどうか、または抗体価が十分かわからない場合には、医療機関で血液検査を受けることで調べられます。値が低い場合には追加接種が推奨されます。
そのほかでは、子宮のがんにつながるHPV感染症を防ぐ「HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン」もあります。子供の頃に受けていない場合には、少なくとも26歳までの男女に推奨されます。また、メリットはそれ以前に比較して下がりますが、27歳以上でも(45歳ぐらいまで)未接種の場合は個別に相談になるかと思います。
原則65歳以上の方には「肺炎球菌ワクチン」もあります。ただし、喘息や肺気腫といった持病がある場合には、65歳未満でも推奨されます。持病があり未接種の場合には、かかりつけ医に相談をしてみてください。
ちなみに、海外旅行を計画している方は、旅行の準備と予防接種をセットで考えることが大切です。案外見落とされがちなのですが、海外では日本とは異なる感染症が流行している場合があるからです。
渡航先での接種も不可能ではありませんが、言葉が通じない国で大変な思いをするより、渡航前に済ませておいた方が何かと安心です。どこの国でどの予防接種が必要になるかは、厚生労働省検疫所の ウェブサイトから確認するといいでしょう。