「世界一、雪が積もったのは滋賀県」は本当?
「自然」のジャンルでは、「世界一、雪が積もったのは滋賀県」という意外なトリビアを紹介しています。北海道でも新潟県でもなく、滋賀県というのは不思議だと思いますが、1927年2月14日、滋賀県にある伊吹山で11メートル82センチの積雪が記録され、これが世界記録になっています。
伊吹山は1377メートルと高くありません。なのに、なぜたくさんの雪が降るのでしょうか。それは、若狭湾と伊勢湾という2つの湾の間にはさまれた狭い場所にあるから。伊吹山の北にある若狭湾から南にある伊勢湾に向かって、大量の雲が伊吹山に集中的にぶつかることで、たくさんの雪が降るのです。
「宇宙」のジャンルでは、「800年前の京都ではオーロラが見えた」という嘘のような本当の話をご紹介。歌人・藤原定家の日記に、「1204年2月、北の方角に“赤気”が現れた」とあり、この“赤気”が赤いオーロラのことです。
オーロラは太陽風が地球の大気にぶつかった時に赤や青の光を発してできますが、太陽風は地球の磁局に引き寄せられます。現在は地球の磁極は北極や南極の近くにあるため、その周辺でしかオーロラは見られません。
しかし、800年前は磁極近くの磁場の広がり方が今とは少し違い、オーロラが見える地域がもっと南にありました。そのため、京都でもオーロラが見られたのです。
本書では科学が好きになる話を、ほかにもたくさん紹介しています。しかし、これらの知識も、将来、科学・技術の進歩によって、私たちの常識や生活をがらりと変えるかもしれません。
身の回りのいたるところに、「科学」はひそんでいます。身の回りの当たり前を疑うことが科学の第一歩。ぜひ、自分なりの科学を楽しんでいただきたいと思います