──私はよく自転車に乗るのですが、「ルートワン」があまりにもスイスイ走るのでビックリしました。つい、老人になっても電動アシスト自転車にお世話にならずに生涯を全うできるかもしれないと思ってしまいました(笑)。
うれしいです。実はみなさんにそんな風に言っていただいています。
──なぜ、自社でオリジナルの自転車を開発しようと思ったんですか?
私は以前から「日本人のための自転車を作りたい」と考えていました。自転車の起源は約200年前にドイツで作られた「Draisine(ドライジーネ)」で、これは足で地面を蹴って歩くように走る仕組みです。
そこから自転車は進化を遂げましたが、胴長で手足も短い日本人はヨーロッパ人の体に合わせた規格の自転車に“乗らされてきた”という感覚がずっとあったんです。それで自転車の起源にもう一度立ち還り、オリジナルの自転車を作りたいと、会長に相談したら「すぐにやれ!」ってことになりまして。
人力なのに電動なみのラクチンさ! 日本人に最適化された自転車「ルートワン」の革新的構造
自転車は今から約200年前に誕生し、その後、進化を遂げ現在の姿になった。当然、私たちはなんの疑いもなく乗りこなし、当たり前のものだと思っているが、その最終形態は「日本人に最適化されていないのでは?」と一石を投じる自転車メーカーが現れた。それがディスカウントストア「オリンピック」から分社した「サイクルオリンピック」だ。2020年、その信念をもとに完成されたオリジナル自転車「ルートワン」。開発の陣頭指揮を執った社長の古屋直隆氏にお話を聞いた。
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日本人にはショートクランクがこぎやすい