ごまかしたり、知ったかぶりしたりしない

回答者として何よりも国司さんが大切にしているのは、誠実な姿勢で子どもに向き合うことだ。

「質問してくる小学生や中学生はウソをつかないんですよ。本当に自分が疑問に思ったことを、気取ったり、カッコつけたりせずにストレートに聞いてきます。それをちゃんと受け止めて、わからないときはわからないと正直に答える。こっちもウソをついてはいけません」

NHK「子ども科学電話相談」で33年。ベテラン回答者が実践する伝える工夫_3
「わからなければ正直に言うべき。ウソはいけない」と話す国司さん
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「やたら大きな数字でごまかしたり、大袈裟に言ったりしてはだめ。でも、天文の世界ってそうなんですよ(苦笑)。あたかも見てきたような風に言ってね。100億年前なんて見た人いないのにね」

たとえ小さな子であっても、軽んじることは決してない。

番組ではそうした姿勢を貫いてきた国司さんだが、家庭では必ずしもそうではなかったと頭をかく。

「小学生だったうちの子からの質問にひと言で済ますような回答をしたら、『お父さんはラジオだとあんなに丁寧に答えるのに、私にはちゃんと答えてくれない』と怒られました」