デジタルメモから、付箋&ペンに

––現在、ハイロックさんは群馬県の前橋にアトリエを構えていらっしゃるんですね。

ここはもともと、母親が喫茶店を営んでいた建物なんです。だから、スペースの半分は天井高が6mあったりして、普通の住居の造りではないんですよね。喫茶店がクローズしてから、何にも使われていないのがもったいなかったので、2014年にアトリエとして改装しました。

––だから大きなカウンターがあるんですね。

高校生の頃は、この喫茶店でアルバイトをしていたこともあったんです。自分のモノ集めの感性は喫茶店で養われたと思っています。だから、このアトリエには焙煎機や抽出マシーンなどコーヒー関係のグッズがたくさんあるし、「グラスはセット買いする」「業務用っぽいデザインが好き」といったところも、そこからきているのかなぁと。

「もうデジタルは飽きました」 ガジェットマニア・ハイロックがアナログ回帰する理由_1
「もうデジタルは飽きました」 ガジェットマニア・ハイロックがアナログ回帰する理由_2
地元・群馬にあるハイロックさんのアトリエ。もともと喫茶店だったスペースを活かし、まるで店舗のような雰囲気に
「もうデジタルは飽きました」 ガジェットマニア・ハイロックがアナログ回帰する理由_3
アトリエに置かれたジュークボックスは60年代のもので、内部の機械を修理し、自身の手でデザインを作り直している

––ハイロックさんといえば、デジタルデバイスなどのガジェットがお好きだというイメージがあります。

それが……今は全然興味ないんです。

––えっ! そうなんですか?

ガジェット関連の取材などもよく受けていたのであまり言わないようにしていたのですが、実はけっこう前から、アナログ回帰しているんですよ。もちろん情報は入れていますが、以前ほど、最新ガジェットは追っていません。

––以前はiPhoneと連動するカレンダーなど、最先端のデジタルアイテムを使われていましたが……。

メモに関しては、今はもう、「ポスト・イット」とペン。手書きするのが一番効率いい、という結論に至りました。

––まさにアナログ回帰。

たとえば今愛用しているDETAILのペンは、ペン立てに蓋が内蔵されていて、真上に引っ張るとすぐ書ける。斜めにして引っ張ると、蓋がついてペンを持ち歩ける、という仕組みになっています。

「もうデジタルは飽きました」 ガジェットマニア・ハイロックがアナログ回帰する理由_4
愛用のペンとペン立てのセット。生活雑貨の輸入・製造を行うDETAILの製品

––ペン立て自体が重くて安定していますね。「ポスト・イット」はどんなタイプのものでしょうか。

3Mの「ポスト・イット」です。5×5cmの、ネオンカラーの黄色を愛用しています。結局、このサイズが一番使いやすいんですよね。1回に書き込むべきことはこのサイズに十分収まる。もっと情報量が多いときは、何枚か書いて重ねていけばいいので。「ポスト・イット」は書いたものを、関連した場所に貼り付けられるのがいいですよね。スタッフに伝えたいことなら、スタッフの机の上に貼っておく。外出先で考えるべきことなら、スマホに貼り付ける。調べものだったら、パソコンに貼る。そんなふうに使っています。