長い水風呂は“ととのわない”

サウナ室の脇にあることの多い水風呂。サウナ室を出て、汗を流し、息を吐きながら体を沈めたときの心地よさは格別だ。暑い夏は長めに浸かる人も増えていようだ。

「水風呂に浸かる最適な時間は20〜30秒で、1分以内が目安。冷やされた血液が全身を一周するのにかかるのがちょうどこのくらいだからです。また、『気道がスース―する』というのも水風呂を出るタイミングの目安となります。体の表面が冷たくなるけれど、深部は熱いままの状態。この温度差が生まれることで頭がすっきり、覚醒したような感覚が得られ、ととのうのです。

では、長く浸かり過ぎるとどうなるか? 体の芯まで冷えてしまい、ととのう感覚が薄れてしまいます。しかし、夏場は水風呂で冷たくて気持ちいい、涼しいという感覚を優先したい人も多い。どちらが正しいということはなく、すっきりととのえるか、気持ち良さを味わうか、そこは個人の好みです。ただし、長く入り過ぎないこと。低体温症となるリスクがあります。一般的な16~18℃くらいの水風呂であれば、5分以上は避けたほうがいいでしょう」

外気浴より内気浴のほうがととのう場合も

水風呂を出たら、気化熱で冷めないように体を拭いて、外気浴。屋外にプラスチック製の「ととのいイス」が並んでいる施設もたくさんあるが、最近は夜でも気温が高く、じめじめしているし、昼間は、日差しが強い。

「極端に熱いサウナ室、急激に冷たい水風呂を経て外気浴をすると、生命の危機を脱したと体が感知し、副交感神経が通常よりも大きく優位になります。アドレナリンがほどよく残りつつ、リラックスして、意識はスッと研ぎ澄まされているようなととのった状態に。

サウナの真骨頂ともいうべき休憩の時間は、体に負担がかからない環境を選ぶことが大切です。一般的には外気浴が良いとされていますが、季節柄、外の気温や湿度が高過ぎる場合は、あえて内気浴というのも手。脱衣所のほうが涼しくて、扇風機の風が当たって心地良いならば、屋外にこだわる必要はありません。真正のととのいタイムは、水風呂を出てから約2分で終了します。どこで体を休めるのがベストか、サウナ室に入る前にチェックしてみてください」