史上最長身選手が見せた最高の投球 藤浪晋太郎(大阪桐蔭)

興南の栄光からわずか2年後の2012年、次の主役は大阪桐蔭(大阪)。注目は身長197センチの「甲子園大会史上最長身選手」、藤浪晋太郎(現・阪神)だった。

2012年、第84回センバツ大会に出場した藤浪は、史上初となる「登板5試合すべてで150キロ以上」を記録。決勝では青森の光星学院(現・八戸学院光星)に12本のヒットを許したものの、試合には7対3で勝利。見事にセンバツ優勝を達成した。

「春勝っても、夏勝たなければ意味がないんです」と自ら語り、春夏連覇を目標に掲げた藤浪。憧れていたダルビッシュ有(現・パドレス)の投球フォームを研究して臨んだ第94回夏の甲子園大会では、初戦から14個の三振を記録。準々決勝では13奪三振の好投で相手を圧倒。つづく準決勝でも強豪・明徳義塾(高知)を相手に2安打しか与えず、完封勝利。センバツ以上の投球内容で決勝戦に進出した。

迎えた決勝の相手は、センバツと同じく光星学院。センバツでは12本ものヒットを打たれた相手だったが、準決勝と同じく相手に2本のヒットしか許さず、決勝戦史上最多タイの14奪三振を記録し、2試合連続の完封勝利。大阪桐蔭は史上7校目となる春夏連覇を達成した。最後の打者を152キロのストレートで空振り三振にした瞬間、両手をつきあげた藤浪。誰よりも高いマウンドで、誰よりも背の高い男が高みに登ったのだ。